いらっしゃいませ、ひのそうです。
みなさん、英語の文章を読むのは得意だけど、英会話はぜんぜんできなくて困っていたりしませんか?学校で学んだ英語の知識だけだと、なかなか会話ができなくてもどかしいですよね。
私も学生の頃得意科目は英語だったのですが、英会話はからっきしダメでした。どのくらいダメだったかというと、外国人観光客に道を聞かれても何も答えられないレベルでダメでした。文法は得意だったのに、なぜ英会話がダメだったのでしょうか?原因は大きく2つありました。
1つめの原因は、そもそも英会話に慣れていないことでした。
オンライン英会話で実践の場を用意することで克服しました。
2つめの原因は、英文を作るのに時間がかかりすぎることでした。
英会話が苦手な当時の私は、頭の中で以下5つのステップを行っていました。
①伝えたいことを考える
②日本語で文章を用意する
③英語に翻訳する
④翻訳が正しいか確認する
⑤発話する
5つのステップを踏んでいると、会話のスピードに追い付けなくて、結果的に取り残されてしまうんですよね。学校の授業などで英訳するときは時間をかけてもよいのですが、実際の会話だとそうもいきません。
そんな私が曲がりなりにも英会話ができるようになったきっかけの一つが、今日紹介する参考書との出会いでした。この参考書を読むと、英語の単語・文法の持つイメージを把握することができます。このイメージを持っていると、上記②③のステップが省略され、②’英語で文章を用意するステップに置き換わります。
文法はできるけど、その知識をどのように会話に活かせばいいのかわからなくて困ってるひとには役にたつ参考書だと思います。具体的には、TOEIC600~700程度のスコアを持つ方が、スピーキングの力を伸ばしていきたい、という場面で有用です。
この記事を最後までよむと、英語のイメージをつかむ方法がわかります。イメージをつかむことで、英会話力の向上が期待できますよ。
- TOEICは得意だけど、英会話に自信がない人
- 大人になって改めて英語を勉強しようと思っている人
- 英語の学習に行き詰っている人
目次
紹介するもの
こちらの記事で紹介するのは、英文法の参考書”一億人の英文法”です。
著者は大西泰斗さん。現在NHKラジオ英会話のパーソナリティを担当されています。英語を勉強されている方の中には、おなじみの先生かもしれません。
“一億人の英文法”は、”すべての日本人に贈る「話すため」の英文法”の本です。
そのうたい文句の通り、英語を話すために必要な説明と工夫がいたるところに取り入れられています。
“一億人の英文法”の特徴とおすすめポイントを紹介していきます。
読んだらわかること
- “一億人の英文法”の概要
- “一億人の英文法”がもつ特徴
- “一億人の英文法”の構成
“一億人の英文法”の概要
“一億人の英文法”の概要は以下の通りです。
項目 | 内容 |
本のタイトル | “一億人の英文法” |
著者 | 大西 泰斗 |
発売日(初版) | 2011/9/9 |
発売日(最新版)※2022/04現在 | 確認中 |
出版社 | ナガセ |
ページ数 | 682 |
ISBNコード | 9784890855278 |
本のサイズ | 21cm/A5判 |
“一億人の英文法”がもつ特徴
“一億人の英文法”がもつ特徴は以下の通りです。
話すことに重点
とにかく話すことを意識した内容となっています。話すためには、単語の配置と使うイメージが大事、としています。そのため、本の中では、例文やイラストが頻繁に登場します。
本書の目標は、大学受験の突破だけでなく、最終的に英語を書き、英語を話せるという実用的な英語を身に着けることと記載されています。
本書では、話す力を鍛えるためにやることとして、”システムを理解しなければならない”としています。そして、話すための必須文法は以下4つと定義しています。これらの文法を理解しておけば、あとは表現力を鍛えるのがよい、と主張しています。
- 基本文型
- 修飾方向
- 配置転換
- 時表現
本書の中には、ネイティブの感覚の解説や、英語のもつシステムの解説がいたるところに登場します。
ネイティブの意識の解説
ネイティブが会話をする際の”意識”に着目した解説がさまざまなところに登場します。文法や単語の持つ、ニュアンスや雰囲気まで説明がなされています。
これは従来の文法書にはない、本書の大きな特徴です。
会話しているときに、内容はわかるのだけど、どんな意図で話しているのか分からない、という経験ありますよね?
単語やフレーズの持つニュアンスや雰囲気を学ぶことは、英語で会話する際に大きな助けになります!
文法用語からの脱却
本書では、文法用語からの解放が特徴の一つとしてかかげられています。
他の文法書でよく用いられる用語があまり登場しません。例えば文型の説明(SVCとか)も別の表現(授与型)で言い換えられています。
“一億人の英文法”の構成
本書の構成は以下の通りです。
章番号 | タイトル |
0 | 英文法の歩き方 |
1 | 主語・動詞・基本文型 |
2 | 名詞 |
3 | 形容詞 |
4 | 副詞 |
5 | 比較 |
6 | 否定 |
7 | 助動詞 |
8 | 前置詞 |
9 | WH修飾 |
10 | 動詞-ING形 |
11 | To 不定詞 |
12 | 過去分詞形 |
13 | 節 |
14 | 疑問文 |
15 | さまざまな配置転換 |
16 | 時表現 |
17 | 接続詞 |
18 | 流れを整える |
付録 | 巻末付録 |
Good point3つ
- “話す”に特化した文法書
- 文法・単語の持つニュアンスを学べる
- カジュアルに学べる
“話す”に特化した文法書
1つめのGood pointは、“一億人の英文法”が話すことに特化した文法書ということです。
英文法を、”話すこと”という側面から切り取って解説した画期的な文法書です。目的が”話すこと”なので、文法や単語の持つ感覚の説明に力をいれています。この感覚は人によって異なるため、説明が難しい部分です。本書ではイラストを多用するなど、極力わかりやすくなるような工夫がなされています。
文法・単語の持つニュアンスを学べる
2つめのGood pointは、文法・単語のニュアンスを学べることです。
文法や単語がもつイメージについての解説が多く含まれています。併せて、ネイティブスピーカーがどのような意識で話すのか、についても解説があります。
文法の説明だけではわからない感情の機微などを学ぶことができます。
カジュアルに学べる、英会話のハードルが下がる
3つめのGood pointは、英語をカジュアルに学べることです。
本書に登場する文章は、かなりくだけた表現が多いです。例文も説明も口語体で表現されています。文体が軽いので、文法書を読むというよりは、雑誌を読むような感覚を覚えます。
登場する例文は会話でそのまま使えそうな表現も多く、英語のフレーズの利用シーンがイメージつきやすいです。
例えば、”I walked my dog yesterday.”という文章があったときに
本書では、”昨日犬を散歩に連れて行ったよ”と訳されます。
一般的な文法書だと、”私は昨日、犬を散歩させました”といった訳になるイメージです。
比べると少しカジュアルな和訳になりますね。
Bad point 3つ
- 表現が独特
- 初学者にはおすすめできない
- 索引がない
表現が独特
1つめのBad pointは、表現が独特なことです。
本書の中で登場する解説の表現は、他の参考書とはやや言い回しがことなります。これは、本書の目的が”話すこと”であり、英文法をイメージとしてとらえることに原因があります。結果的に説明がやや長ったらしくなっている部分もあり、分かりづらさにつながっているところもあります。
また、他の文法書の補助教材として利用する際に、いちいち表現が同じ概念なのか違う概念なのかを確認する必要があります。このあたりは少し手間になってしまいます。
良くも悪くも、目的に忠実な参考書です。
英文法の参考書としてはかなりエッジのきいた存在だと思います。
初学者にはおすすめできない
2つめのBad pointは、初学者にはおすすめしづらいことです。
目的が話すことなので、詳細な説明および説明の厳密さを多少犠牲にしているような印象があります。そのため、新しく文法を学びたいといった完全な初学者の方には正直、おすすめしづらい参考書です。
同様の理由で、大学の受験勉強や、TOEICやIELTSといった語学の認定試験のための勉強の教材としては不向きだとおもいます。
既に英語の知識がある程度ある人で、追加の知識として得るという目的にはとてもいい教材だと思います!
索引がない
3つめのBad pointは、索引がないことです。
一般的な参考書には索引が用意されていますが、本書には索引がありません。本書はページ数も多いので、目的の箇所を探すのが大変です。きになった箇所には付箋を貼る等、読者独自の工夫が求められます。
私は読み物として本書を活用していますので、索引がないことにあまり問題を感じていません。ただし、文法書として百科事典的に利用したいのであれば、索引はあったほうが嬉しいなと思います。
まとめ
”一億人の英文法”を紹介してきました。
“一億人の英文法”をおすすめするのは以下のタイプの人です。
- ある程度英語を学んだことがある人
- 文法の基礎知識があって、英会話に苦手意識を感じている人
- 英語学習に行き詰っている人
“一億人の英文法”をおすすめできないのは以下のタイプの人です。
- 完全な英語初学者の人
- 文法をしっかり学びたい人
ネット上の評価を見てみると、賛美両論あるようで、改めて万人受けする参考書ではないなと感じています。
人を選ぶ参考書ではありますが、私にとっては英語の思考法を学ぶきっかけとなり、結果的に英会話の上達につながるとても良い参考書でした。
参考になればうれしいです。それではまたお会いしましょう。お付き合いいただきありがとうございました!
ひのそう
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